「Ski2012 Vol.1 ブルーガイドスキー」にこんな一文がある。
「理想のスキー 多くのスキーヤーは、それぞれに思い描く理想のターンがある。そして、この理想のターンに到達することで体感できる極上のスキーイングを求め、滑走者は日々すべり続ける。理想のターンは、簡単にモノにできるものではない。しかし、スキーヤーはいくらでも可能性があれば、そこに情熱を傾けるのが常である。極上の感覚を求めるためには、妥協を許さない。最善を尽くし、探そう、理想のスキーを。」
理想のスキー選びの検討パラメータは、サイドカーブ、トーションやフレックス、キャップやサンドイッチの構造、キャンバーとロッカーの形状、ブランドイメージ、トップシートグラフィックスの好み、そして価格。
そんな数多あるパラメータの中で一つ「センター幅」がスキー選びのポイントになると思い、オフシーズンに情熱を傾けて出来たグラフ(笑)
掲載カテゴリ毎に色分け、掲載592モデル中シェイプデータが記載されている571モデルをセンター幅別にモデル数を積算した分布グラフ。
シェイプ非公開はRACEカテゴリの中でも本気モードの強い21モデルなので、赤いグラフが実際はもう少し伸びる。
センター幅は、61~149㎜もの幅広いバリエーションがある。
そして普段から抱いているカテゴリが入り組んで分かりにくい印象が、そのままグラフとなった。
70㎜はMOGULを除く5カテゴリ、66・68㎜はFREEを除く5カテゴリの色が重なっている。
大きな目安となるサイズは、72㎜。
カテゴリ全体でも最多のモデル数、そして72㎜はCONFORTカテゴリ初級者向けモデルが最多のサイズ。
72㎜から左右に分かれる印象。
左方向へだんだんと細くなっていくDEMO青70㎜→RACE赤67㎜→MOGUL橙63㎜の移り変わりは、ターン切り替えリズムの早さ、滑走速度の向上、そしてエッジ・キレなどのカービング要素が強くなっていく。
逆に右方向へ太くなっていくALLROUND紫74㎜→FREE黄86㎜への移り変わりは、面・ずらしの要素が強くなっていく傾向が見える。
流れを逆に捉えると、DEMOカテゴリの73㎜以上の太いモデルは、板の性格がALLROUND要素が強くなり、キレやカービングよりも面で滑るスタイルに向いていることを良く理解する必要がある。DEMOカテゴリでも小回りには向いていない。
ALLROUNDカテゴリで71㎜以下の細いモデルは、悪雪対応力は落ちるが、キレ・カービング要素や早い切換えリズムに向いている。ただし、フレックスやトーションがDEMOやRACEより柔らかいので喰いつきは甘くなる。
ゲレンデで使えるのは86㎜までだと思う。
86㎜以下のALLROUNDカテゴリとFREEカテゴリの違いは?
FREEカテゴリの中では細い部類となる86㎜以下は、ツインチップなどパーク用飛び系モデルが目立つ。
ALLROUNDカテゴリはゲレンデをメインとして雪質の対応幅が広い。
87㎜以上は、やはりパウダー向き。
130㎜以上は、パウダーモンスター、ドカ雪限定だけど一本欲しい…。