来季モデルチェンジのKS-RS、センター幅70mm。
3サイズのシェイプは変わらず、ツインキールの構造も、先っぽロッカーの度合いも同じ、挟み込んでいる素材のみの変更にカタログスペックは見える。しかし、乗り味は結構違った。
軽快な操作性で使い勝手が非常にいい。大抵の人は満足できる性能。いい意味で万人向け、外さない乗り味。
この乗り味に関して、ここ数シーズン感じている全メーカーの基礎モデルに対する違和感の要因がおぼろげながらつかめてきた。雑誌でもカタログでもネットでも語られていないが、基礎モデルにFRスポーティセダンのイメージを抱いて乗ってみたら、FFミニバンだったという乗り味の価値観の移ろいを分かっていなかった。
ノア・セレナ・ステップワゴンと言ったFFミニバンの接地感、四輪スタッドレスでも登れない坂が稀にある、あの感じ。
街場の交差点を曲がる速度ではセダンとミニバンで差はあまりでないが、コーナーへの進入速度が少し上がるとセダンとミニバンの骨格や重心の違いでコーナリング感覚が異なる。
ミニバンをセダンだと思って振り回せば違和感を感じるのは当然。イメージ通りの反応が返ってこないのは、固定観念で凝り固まっていたことが要因。
メーカーの特徴を殺してでも、とりあえず欠点を感じさせず購入候補にしてもらうためにユーザーから発せられるネガティブ面を排除していくと、どこのメーカーも大体同じ似た乗り味で最大公約数的なミニバン化の状況なんだと思う。
フィッシャースペリオール、ディナスターCR70、ヘッドiスーパーシェイプマグナムなどと良く似ている。
当然、各モデル毎に特徴はあるがミニバンの範疇での差異。
ただ車と違って、スキー板は見た目やモデル名から判別が難しいのが実情。同じシリーズにセダンとミニバンが混在していたりする。
今季KS-TKはセダンで、KS-TK/Gがパッソで非常に違和感を感じた覚えがある。
来季KS-RSはミニバンになった。試乗していないがKS-RS/Gとの差異は少なくなってシリーズの統一感が出ていると想像する。
ミニバンであること自体が悪いわけではなく、難しいことを考えずに使い勝手がいいことは当然ながら支持されて台数も出る。スキーヤーのスタイルや希望とマッチさせればいいだけである。
安定感よりも軽快感が優先の乗り味。ツインキールのキャップ構造による引っ掛けるようなエッジグリップで安定感を演出。
【←→】滑走中に左右の足の間隔・スタンス幅が変化するスキーヤーでも扱える印象