センター幅79mm以下モデルの試乗感触を分類。
メーカー提示のヒエラルキーも、ショップ店員の説明も、分かりにくいので、自分で試してみた結果です。
試乗モデルを選ぶときに、チャートをタテに検討すると、効率的に自分に合った板と出会えると思います。
1:軽快 コンパクト
イメージは、自然吸気ノンターボの軽自動車。
軽量・軽快が最優先と感じたモデル。
太さが範囲外ですが、ツアースキーの登り板も同じ感触です。
対象は、小柄で体重が軽く、筋力がないスキーヤー。
各社軽量モデルのリリースが増えているが、メタボなので試乗を回避しています。
2:ミニバン
イメージは、使い勝手のいいミニバン。
センター幅75mm前後で、軽量なモデルです。
振り回しやすさやラクが最優先と感じたモデル。
対象は、レンタル卒業して、1シーズンの滑走日数が5日以上に増えてきたレジャースキーヤー向けのモデルが多いですが、競技や技術などを突き詰めたスキーヤーが、気分も滑りも緩めてルーズに滑るモデルもありました。
どんな操作でも気持ち良く滑れるので、板としては優秀なモデルが多い。
なので、操作を覚えるバッジ検定2級以上を目指すスキーヤーには向かないと思う。
3:セダン
イメージは、走りの均整がとれたセダン。
街中を40km/h程度で走行しているときは、ミニバンもセダンも違いはあまり感じませんが、速度が上がったり、ワインディングロードで素早い切り替えで、差が出てくる。
センター幅72mm以下で、軽快な操作性と、滑走性が優先されているモデル。
対象は、2級・1級の上級スキーヤー。
正しい操作をすると、気持ちいい反応を返してくれる素直なモデル。
4:スポーツカー
イメージは、セダンよりも速度域が高く、レスポンスも素早く、扱うにはパワーやテクニックが必要なスポーツカー。
ナンバーがついて公道が走れる。すなわちゲレンデ滑走向けの高速モデル。
対象は、プライズレベルのエキスパートスキーヤー。
5:レーシングカー
イメージは、サーキットでタイムを削る競技車両。速度域はスポーツカーよりも高い。スキーでも硫安が撒かれたサーキットのような特別なコンディションにてタイムを削るための板。
試乗の感想は、ナンバーの付いていないレーシングカーを公道で使いやすいか、という本来の目的と異なった用途でのインプレッション。なので、本来のタイムを削る性能については語れない。
様々なものがそぎ落とされて、ダイレクト感が持ち味。逆に過敏と感じる時もある。
試乗は一日で10台ぐらいしか乗れません。
チャートをタテに試すのが相性を探るのにも、メーカー間・モデル間を比較するにも、価格を考慮するにも、効率的です。そして、ハッキリと相性の良し悪しを感じられます。
しかし、滑り仲間を試乗会に連れて行くと、比較検討できないモデルを乗ってしまうことが多いです。
まぁ、その非効率さも愉しんでしまえばいいだけなんですがね…。
2:ミニバン総括
オーグメントAM77、フレックス強度はスポーツカー並みですが、レーサーが気分もレスポンスもちょっと緩めて滑りたい気分は、このポジションだと思います。
ブルーモリスのB-Potion、コブ用の振り回しやすさ、リィズム的エッジグリップで、ラク系とはちょいと違います。
レンタル卒業で初めて自分のスキーを手に入れる時に一般的には、量販店のセットスキー、1:コンパクトのグループを手に入れてしまいます。一見安いように感じますが、そんなに安くないです。
セットスキーは不必要な恐怖心を感じることが多く、スキー自体を嫌いになってしまうリスクが高いです。
せめて、2:ミニバンのこのグループのモデルを手に入れると、恐怖心を感じることが少なく、スキーが愉しく、気持ち良く、もっとしたい気持ちが沸いてくると思います。
スキー人口の衰退の一因として、そんなにスキーの気持ち良さを感じられない状況をスキー板自体が生み出していると思うので、レンタルが全てこのグループになれば、スキーを好きになる人が増えると思います。
コストが抑えめでお勧めできる滑走性能を持っているのは、K2のチャージャーシリーズ。
3:セダン総括
レンタル卒業で初めて自分のスキーを手に入れる時でも、扱えるならばこのグループのモデルがお勧めです。
試乗せずにお店だけで購入モデルを決めると、気合を入れて、時間もお金も手間も掛けて、2:ミニバンのグループになりますよね、普通…。その普通を変えたい。
このチャートのモデルならばどれでもいい。試乗して相性のあうモデルを見つけて欲しい。
正直、ミニバンのグループよりも性能が上で安いものと出会えることもあるけど、試乗していないと決められないですよね。
4:スポーツカー総括
ブルーモリスG-Positionが良くて、完成度の高さに驚きました。オガサカTC-MSの対抗馬になる完成度でした。
オーグメントのSCとSLを初体験、芯材の中身が詰まった感触で好みでした。本気レーサーに主軸が置かれているブランドですが、10段階フレックスを柔らかく設定すれば扱えるような気がしている。
ディナスターのスピードマスターSLも欲しいぃ一台。
このグループのモデルを選ぶスキーヤーは、一家言を持っているし、自分で選べます。
熱量も高く、コストよりも乗り味や滑走性重視の傾向なので、メーカーもコストを掛けられますので、いい板ばかりです。