新品板を滑走前にプレチューンナップ。
ショップに依頼すると7000円ぐらい掛かるけど、自分で行うと費用の低減に加えて、板の素性が実に良く分かる。
これが愉しい♪ 仕事で行うなら効率重視だけど、趣味で行うので感触重視。
滑走ベース面のエッジを垂らす。
とりあえず0.5度。引っ掛かるようならば1.0度に。
ノーズからテイルに数カ所マジックでエッジを塗る。
金ヤスリをガイドに装着してエッジを削る。ベース面は外側から内側へ削れていく。
すこぉ~し、ノーズ付近のエッジがねじれているところもあったが、チューンナップすれば気にならない程度。フリーライド板としては加工精度はいい。やっぱりジャパンメイド。こういう確認をしながら道具を仕上げていくと、信頼感が増す。
金ヤスリで角度が出たら、ダイヤモンドファイルのメッシュを変えて磨きを掛ける。
サイド面のボーダーをカットする。
一気にノーズからテイルまで削るのが、意外と難しい工程。軽く削れる力加減の塩梅や呼吸で引く感じ。
ただ、新品板ならではの作業なので醍醐味でもある。
余談、フォルクルのワックスを塗るタイプのサイドウォールはボーダーカットしてはいけないらしい。削ると板内部へ浸水・腐食・破損。う~む、本来維持すべき機能を劣化させてまでの滑走性向上は試乗では分からない程度。
サイドの角度出しはマシンでサイドウォールごとエッジを削る。手仕事を拒絶する。
エッジサイド面にもマジックで数カ所塗る。金ヤスリをガイドに固定して引く。
とりあえず89度。フリーライド板なので88度までするつもりはないが、整地の滑走性能次第かな。この辺を探りながら自分で調整出来るのが密かな愉しみ。
サイド面は内側から外側へ削れる。
マジック跡が無くなり、エッジを指先で触れて甘い箇所がないか確かめる。
ダイヤモンドファイルで磨きを掛けて、こする感触や輝きが変化していく過程が愉しい。
トップとテイルをストーンでダリング。丸めた感触を触れながら妄想するのがいい。
作業自体は単純にこするだけだけど、接雪点やロッカー度合いを眺めながら“ココから雪面を切り込んでいく”なんてイメージをしながらこする。
リプリムは、テールが短いのでダリングはとりあえず跳ね上がっているところだけで、有効エッジ長は最大限に仕上げてターン後半のエッジグリップに期待。引っかかりが出たらストーンで丸めるのは簡単にその場でできるし。
感触を探りながらの滑走一本一本は熱がこもり、まだオープンコースの数が少ないゲレンデ状況でも楽しめる。
仕上げにお気に入りのクラフティワックスZEを一塗り。
エッジのサビ抑制だけならリキッドやペーストの簡易ワックスで十分なんだけど、白ボケしちゃう。
クラフティのZEは、被膜の艶となめらかさで、仕上がりが一段上がる感じがスキ。
角度を変えなければ金ヤスリやボーダーカッターを使うのは、新品の今回のみ。
このあとエッジのメンテナンスは、バリをストーンで落として、ダイヤモンドファイルで磨くことを寿命まで続けるだけ。フリーライド板だと変なものを踏むことが多くてバリの発生頻度が高いけど、時間はそんなに掛からない。
ダイヤモンドファイルは高価なツールだけど、作業効率がいいし、失敗も低いので億劫にならず良好な状態を維持しやすい。
プレチューンナップをショップに依頼してエッジの角度だしをしてもらうスキーヤーならば、金ヤスリは不要に思う。ガイドと金ヤスリが一体になった簡易ツール、必要以上にエッジを削って板の寿命を早めるし、あんまり切れ味の良くないヤスリなので、仕上がりの精度も滑らかさも粗い。逆にバリを出してしまうこともありチューンナップ初心者にはかえって危険だと思う。
エッジの次はソール。さすが日本製、フラットはきっちり出ている。
一皮むいてワックスを染み込みやすくする。お肌で言えばピーリング。つづく…。