スキー板 格納メンテナンス エッジ編

シーズンオフに時間を掛ける板のメンテナンス。
滑り仲間も徐々にメンテナンスに興味を持ち出してきたので、手順と必要なツールを説明します。

まずは自分でメンテナンスする板と、ショップにメンテナンスを依頼する板の選別。
ソールを眺めて、
 ・リペアが必要な傷
 ・サンディングで消える浅い傷
 ・傷が無くても酸化したソールを一皮むいてもらう
などを見極めて、ショップ依頼。

■エッジメンテナンス手順

自分で板のメンテナンスを行う箇所は、エッジとソールのワックスの2箇所。
まずは、先にエッジを仕上げます。
エッジを仕上げないと、アイロンを傷つけたり、怪我をしちゃいますので。

提唱しているのは、#100ダイヤモンドファイルをガイドにつけて擦るだけのメンテナンスです。

エッジは、ベース面とサイド面の2面を砥ぎます。
ベース1度、サイド88度と、すでにエッジの角度は出ていますので、ガイドで角度をあわせて、こすって砥ぐだけです。

#100ダイヤモンドファイルを1度のベースガイドに装着。

霧吹きでファイルに水を吹き付けて、エッジをこすります。
ザラザラとしたバリの感触が無くなるまで、サビも、キズも見えなくなるまでこすります。

左右のエッジのベース面が滑らかになったら、サイド面に移ります。

#100ダイヤモンドファイルを88度のサイドガイドに装着。

トップやテールの雪面に接しない部分もこすって、ピカピカにしておきましょう。
これでエッジのメンテナンスは完了。
エッジが砥げて鋭くなっているので、素手で触れる時は注意が必要です。

■ツールの説明

メンテナンスが実施できる最低限のツールで、最低限のコストを意識していますが、高価だと思います。ただ、手間を掛けてメンテナンスした結果に満足できる仕上がりにできるツールです。
プレチューンナップ済みでエッジの角度が出ている板であることが前提です。

1.ダイヤモンドファイル#100
ムーンフレックスのラインナップは、#100、#200、#400、#600、#1500とあります。
スノーリーは、#100、#400、#600とあります。
一番粗い#100番が、切削用途の一本目として適しています。金ヤスリの代わりにダイヤモンドファイルを用いるので、#100の番手が必要です。金属製のヤスリよりも失敗が少なく、切削能力が高くて使い勝手がいいです。切削によってエッジの角がキチンと立ちます。
一般的に金ヤスリで砥いだ後の仕上げとして#400以上のダイヤモンドファイルで表面を滑らかにする用途で用いられますが、エッジの角は立ちません。刃物の砥石で、仕上げ砥石で刃付けができないことと同じ関係です。
セットの簡易ヤスリをいくつも持っているよりも、#100を一本持っている方がエッジをいい状態に保てます。

2.サイドエッジガイド 88度
様々なブランドからリリースされていますが、オススメはカンダハー製です。
安価にボーダーカッターが装着可能で、トータルで一番安くエッジのメンテナンスが可能になります。
サイドエッジガイド」「ボーダーカッター

3.ベースエッジガイド 1.0度
ガイドなしでダイヤモンドファイルをフリーハンドで擦っても対応できますが、ガイドがあれば精度が出ます。
競技スキーでは0.5度や0.75度を使います。また、オガサカのプレチューンナップは0.8度となっているモデルがあります。八ヶ岳エリアや木曽エリアの乾いた硬い雪質で0.75度はエッジの捉えが早く、板からのレスポンスが良くなりますが、日本海側で水分量の多い雪質の妙高高原や斑尾では引っ掛かりが出てしまい滑りにくいです。1.0度だと日本海側で引っ掛かりません。ファットスキーのオフピステで自然の雪面でも1.0度で大抵適用できますが、1.5度に垂らした方がいい場合もあります。
ツールとしては、可変タイプと固定タイプとあります。可変タイプが適用幅が広く感じますが、1.0度の固定タイプが一つあれば良いと思います。
固定タイプでも削り出しで精度を謳うものがありますが、高価すぎるので、ダイヤモンドファイルの別番手へ予算を振り分けた方がいいです。

4.クランプ
ダイヤモンドファイルをガイドに固定するためにガッチリ強力なクランプが必要です。
百均などに似たものがありますが、弱くて使い物にならないものがあります。
カンダハー クランプ

5.霧吹き
百均でもいいですが、水滴の大きさで差が出ます。
エッジの研磨に加えて、ワックスのブラッシングでも使います。

6.ブレーキホルダー
ファットスキーに使える伸びと、ブレーキを押さえつけられるトルクが必要です。
地味なゴムバンドですが、伸びとトルクを兼ね備えているものは少ないです。
バンドなので転用やアレンジの情報もありますが、使い心地は劣ります。
今のところハヤシとスウィックスの二つしかオススメできない状況です。
ハヤシワックス ストッパーバンド

7.バイス
サイドエッジを砥ぐポジションに出来ることと、ファットスキーのワックス作業を安定してできる台。