サイズ141cmのワンサイズ。
左がトップ、右がテイル。ピンテイルでパウダーでの操作性を狙った形状である。
センター幅126mmのファットスキー。
コスメはかなり好み。
明るく綺麗な発色と、透けた木目風が美しい♪
最大の特徴は、ビンディングトゥピースの前のトップ部分のソールが手のひらサイズで凹んでいる。
ソールの裏側トップシート側は膨らんでいる。
パウダーポケットと命名された浮力発生の機能があるらしい。
試乗の感触では、太く短いので切っていく安定感はなく、圧雪ゲレンデには向かない。キョロキョロする。
逆にこのキョロキョロ感と、パウダーポケットによる浮力で、深雪での操作性につながると思う。
細かなツリーラン向きの意図は納得できるが、とにかく独創的だぁ…。
へこんだところにどうやってアイロンを当ててホットワックスすればいいのか、スクレーピングもどうする?と手の掛かることが予想される。
それでも独創を形にしていることの方に感服する。
フリーライドだからねぇ、奔放でドキドキすることに価値がある。
RIDE≦FREE≧STYLE
ソールに書かれているテーマが具現化されている。
競技板をリリースしているメーカーの造るフリーライド板は、滑走性が良くて早い。フリーライド専門メーカーの板はちょいと劣る実感がある、いわゆる有名メーカーでも。早い板がフリーライドでもいいもんだと考えていた。
ブルーモリスのフリーライドモデルは出発点も方向性も違っていた。
「楽しささえ感じられればいい」 共感できるけど、他ブランドもおんなじだと思う。
「安く手軽に多くのスキーヤーに」 ほぅ、まずは手に入れてパウダーを体感しなきゃね。価格は需要なファクターですね。
「芯材をPU(発泡ウレタン)で安価に」 あぁ、キャップ構造の芯材ですね、安くて軽量で耐久性があるのは分かるけど乗り味がねぇ…。まぁカーボン芯材で軽いけど高価なモデルは多数ありますからね。
「低速でどれだけ浮力が得られるかなんです」 えぇ、低速域を狙っていたのっ!? うっ、試乗の仕方が間違っていたかも…。
「海外とシチュエーションも体格も違うので、短いサイズでの取り回し」 確かに短いのに浮力も得ている。リプリム160cm、オメガ141cmと、センター幅からすると極端に短い1サイズのラインナップ。まぁ変なサイズを奇異に感じて興味を持ち始めたんだった。
「スピードが上がると転倒リスクも上がり、技量も必要」 そりゃそうだけど、えっ、なに、スキーヤーに技量を求めずに、楽しさだけを与えるコンセプトなの。そんなこと出来んの??? いや、具現化されている、出来ている…。
「PU芯材は、形状の自由が効くんです」 おっ、なるほどパウダーポケットの3D形状をウッド芯材じゃ難しいし、重くなっちゃうし、なにより出来ても高価。
「PU芯材の3D形状は強度が出るんです」 あぁ、車のボンネットやドアのキャラクターラインでベコベコせずに強度を出しているのと理屈はおんなじ。
「2018シーズンモデルのラプターをPU芯材で3D形状に進化出来れば、もっと楽しくできる」 おぉ、なるほど。フィールドアースデザインのモデルが、ブルーモリスからお手頃プライスでリリースされる可能性が。
パウダー滑走の楽しさを、手軽に、簡単に、安全に。う~ん、抜かりない手段で具現化している。
同じブルーモリス謹製リィズムのシロクマさんでもキャップ構造の新たな可能性を感じた。メーカーのためのコストダウン技術でスキーヤーへの恩恵は少ないと毛嫌いして来たんだけど、認識を改めなければいけない。
“オメガ” ギリシャ文字の最終文字。英語のZの位置付けだが、新たなステージの始まりでもある。
エポックメイキング的なモデルなんだなぁ、オメガ。