Salomonサロモン BBR8.9 BBR7.9

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センター88mmにSL板並みの回転半径12m。フリーライド板としては極端に小さい値。
キャップ構造メーカーサロモンからサンドイッチ構造の8.9。キャップ構造の7.9も同時リリース。
両方試乗できた。

BBRのパッと見はトップ形状に目を奪われるが、8.9のテール形状に心を奪われる、なんだか可愛い。どういう意味があるんだろうこのテール、動物のシッポのようにあまり意味を感じられないところに可愛らしさを感じているのかも…。7.9でスパッと切り落とされているということは滑走性能に影響が少ない無駄なテールなのかもしれない。けれどデザイナーは無駄な部分を描いた訳じゃなく、なにか意味があるんでしょうね。

Vシェイプと言うけれど、K2ポントゥーンの方がハッキリとV字。オンピステでは使えずパウダー特化というポントゥーンレビューをネット上で見かける。
BBRはウエストが絞り込まれているので、肩幅が張っているけれどなで肩な競泳選手っぽいシルエット。サーフボードが原型のようだが、やはりどこか水っぽいイメージ。色もね。珍しいブルーに蛍光色のサイドウォール。蛍光色のせいで釣具っぽい、これも水を連想。
芯材が透けて見えるトップシートの質感は好印象。ブルーとは別にナチュラルテイストの芯材カラーバリエーションが出ると嬉しいな。

滑ってみると、見た目以上に操作感が変わってる。
普通に車のステアリングを切ったつもりが、後輪が曲がるフォークリフトに乗っていたことを気づかされるぐらいの違和感がある。傍目から観れば「どっちも問題なく曲がるじゃん」と言われると思うけれど…。

特にレールターン的に進行方向に対して抵抗を少なく左右に角付け操作をしてみると、エッジではなくソール面の抵抗で雪面を捉える。
要因は、トップ形状ではなく、ビンディングの取り付け位置だと思う。
一般的な板はウエストがくびれた細いところにビンディングがあり、レールターンの角付けでエッジに乗ってサイドカーブなりに曲がっていく感覚。
BBRは、くびれよりもトップ寄りにビンディングが取り付けられているため、カカトからつま先へエッジが開いていく。
Vシェイプの呼び名は板の形状よりも有効エッジ形状を指しているのかも。角付けをすると外足のエッジは進行方向の内側に向き、回旋したようにソール面が雪面を捉える。足元から雪の上へ上へと板が押し上げられる、加えて威圧的なトップ形状も相まって浮力を効率良く得る。

サイドカーブがきついこともあって小回りもいける。高速域でもトップが重いはずなのに意外とバタつかない。
抵抗を受けながら進む板のようなので、その抵抗を体重やパワーで踏みつけられればキレもズラシも自在。
体重の軽い人には合わないかも。重量級な私(笑)には楽しい板だった。

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一方、7.9のテールは味気ない、生産効率至上主義のキャップ構造が前面に出ている印象。
トップシートの質感も頂けない。ブルーの鮮やかさがくすみがち、特に茶色部分の印刷が安っぽい。
本家8.9に対して、パッチもん感がありすぎな7.9、現物の質感の差は大きかった。
さらに7.9は若干細い同じ形状なのに、乗り味は別物。速度域も低い。
価格が8.9の半額なら納得だけど、似たような価格なら8.9に決まり。

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